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■事業の内容

(1) 超近代化生産システムの調査研究
 造船関連工業における自動化の実態及び阻害要因、ならびに他産業での自動化システム導入状況の調査を行った。
[1] 調査対象
イ. アンケート調査  対象事業所 228
ロ. 現地調査     豊田工機、山崎鉄工所、大隈鉄工所、村田機械
ハ. 文献調査     国内、海外の代表的な自動化工場48
[2] 調査項目
イ. 自動化を導入している工程及びシステム
ロ. 自動化機械名及び台数
ハ. 自動化による効果及び問題点
ニ. 自動化の度合
ホ. 自動化の阻害要因
[3] 超近代化生産システムの課題検討
 会員企業の中からサンプル工場3ケ所を選定し、専門機関に委託して、FMSなどの導入に伴うに必要な課題の検討を行った。
イ. サンプル工場  新興金属工業所
大洋電機
新潟鉄工所
ロ. 課題項目    a. 生産システム
b. 情報処理体制
c. 工程分析
d. 設備
(2) 生産技術の近代化への転換促進
[1] 転換課題についての調査
アンケート調査  対象事業所 228
調査項目     ○ 生産工程、生産管理方法などで早急に近代化を必要としている部門
○ 近代化を必要としている具体的内容
○ 導入を計画している設備とその方法
○ 近代化への転換に伴う経済的効果
[2] 転換研究課題の選択
 [1]の調査結果を基にして、近代化転換の課題の必要性、重要性、緊急性を選択した。
[3] 近代化転換のための調査研究
 [2]の結果に基づいてモデル工場を選定し、専門家からなるコンサルタントチームによる転換方策について、生産技術、設備などについて、具体的な調査研究を行った。
イ. モデル工場  赤坂鉄工所(中港工場)
ロ. 調査項目   a. 改善箇所の検討
b. 工程の改善
c. 工具の標準化
d. 工作工場のレイアウト改善
e. クランク軸加工のNC化
f. FMS化の検討

■事業の成果

造船関連工業が他産業に比し、劣位産業化を防いで今後の発展を期すための方策の一つとして、生産技術の近代化は欠くべからざるものがあるが、わけても最近のマイクロエレクトロニクス等の目覚ましい進歩は、工場の生産技術に革命的な変化をもたらしており、近代化への転換のためにはこれらの導入を推進することが是非とも必要である。
 よって本事業では、当業界の現状を把握し、また他産業の動向を踏まえ、業界の置かれている状況を認識したうえで、「[1]超近代化生産システムの調査研究」においては、具体的にサンプル工場を選定し、将来的な当該工場のFMS化、ロボット化等超近代的な生産システムの導入について検討し、また「[2]生産技術の近代化への転換促進」においては、当面の生産設備の改善について検討した。
 これらの成果は会員メーカーが自社の生産性を向上させるために生産システムの改善、或は将来計画を立案するうえで寄与するところが大きく、当業界が魅力ある産業となるための多くの示唆を得ることができる。





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