日本財団 図書館


■事業の内容

(1) 軽質油及び重質油に対する油処理剤の効果確認試験
[1] 使用水槽:屋外仮設水槽(6m×5m×0.8m)
1m角タンク
[2] 油処理剤:乳化分散剤(2種)
ゲル化剤 (2種)
集油剤  (3種)
[3] 試験条件:平水中
波浪中(放水攪拌、すのこ攪拌)
[4] 対象油 :灯油、自動車用ガソリン、B重油
[5] 調査・計測項目
○ 乳化分散剤:性状調査
油分濃度の測定
乳化状況の観察
○ ゲル化剤 :性状調査
ゲル化に要する時間
ゲル化油の重量、含水量(温度2条件)の測定
○ 集油剤  :性状調査
一定時間間隔毎の油層の観察および油層の面積
(2) 研究成果の総合とりまとめ
 8ケ年の研究成果を下記のとおりとりまとめた。
イ. 各種オイルフェンス(A型、B型、C型、D型)の性能試験
〇 オイルフェンスの滞油・漏油の機構
○ オイルフェンスの性能試験
○ 油層長さ、限界油層のフルード数の考え方
ロ. 油回収機の性能試験
○ 評価試験法・認定試験法
○ 作動原理模型(傾斜板式、せき式、吸引式)の油回収性能
○ 尺度影響に関する理論的考察
○ 米国における標準試験法
ハ. 油の性状
○ 原油、試験油、疑似油の性状

■事業の成果

本事業は、1973年のMARPOL条約により、船舶からの海洋汚染防止の規制の対象となる油が、従来の重質油から、軽質油を含む全ての石油類に拡大されたことにより、軽質油及び重質油に対する各種油処理剤の効果確認試験と研究成果の総まとめを行い、処理剤の最適使用方法、攪拌方法、効果の程度に関する基礎資料を得たもので、今後、流出油事故被害防除に関する全く新しい構想に基づく機器や方法の出現と同時に流出油事故の態様の変革にも十分活用できるものであり、また新たな調査研究を行うに際しての重要な資料となるものである。





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION