■事業の内容
東京湾を4図にわける基本案に基づき、操艇専門家と打合わせ会を開催し、各図の包含区域・縮尺・図載内容についての意見を聴取し、図の編集大綱を決定した。
これらの諸要素に基づき、4図の各図について関係する海域の水路図誌および関係資料について海上保安庁および地方自治体から貸与を受け編集計画の資料とした。また、各地の地域特性を把握するため、横浜をはじめとして各地における打合わせ会を開き、図載内容について意見を聴取し、さらに検討の上、採用資料を決定した。
一方、対景写真の撮影、干出堆・目標物・障害物等で確認を要するものについては現地調査を実施した。
(1) 打合わせ会
刊行計画をきめるため、基本的な打合わせ会を行ったほか、各図の作業進行に伴って関係の各地で図域内容等細部に亘る打合わせを行った。
日本水路協会(本部) 4月23日 参集者 2名、協会職員3名
横浜地区(第三管区海上保安本部) 5月27日 参集者 8名、協会職員3名
浦安地区(浦安市文化会館) 7月 9日 参集者 6名、協会職員2名
根岸地区(横浜市民ヨットハーバー) 7月28日 参集者 6名、協会職員2名
木更津地区(木更津ヨッテル) 9月18日 参集者 9名、協会職員2名
浜金谷地区(金谷マリーナ) 10月 6日 参集者 7名、協会職員2名
館山地区(館山市静海荘) 10月 6日 参集者 6名、協会職員2名
浦安地区(第2回)(浦安市文化会館) 12月 8日 参集者11名、協会職員2名
根岸地区(第2回)(横浜市民ヨットハーバー) 12月10日 参集者13名、協会職員2名
(2) 現地調査
A. 調査項目
各図図載の港湾・漁港の入港方法、避泊方法、障害物、著目標等、資料
不十分な箇所についての調査および対景写真の撮影
B. 調査場所、期間および人員
(a) 東京湾その1、その2関係
長浦、袖ケ浦 6月 2日〜 4日 1名 (協会職員)
浮島、海芝浦 6月 7日〜 9日 1名 〃
浦安、干葉、姉ケ崎 6月 1日〜16日 1名 〃
千葉、市原 7月22日〜24日 1名 〃
本牧、根岸、磯子 7月28日〜30日 1名 〃
夏島、深浦、長浦 9月 6日〜 8日 2名 〃
木更津 9月18日〜20日 1名 〃
木更津、富津 9月18日〜20日 2名 〃
姉ケ崎、千葉、船橋 8月10日〜12日 1名 (第三管区水路部職員)
富津、木更津、布引 8月26日〜28日 1名 〃
(b) 東京湾その3、その4関係
久里浜、浦賀 9月 1日〜 3日 1名 (協会職員)
上総湊、浜金谷 9月22日〜24日 1名 〃
館山、船形 10月 5日〜 7日 2名 〃
三浦海岸、金田 10月12日〜14日 1名 〃
走水、馬堀海岸 10月26日〜28日 1名 〃
洲崎、下原 11月 8日〜10日 2名 〃
千倉、和田 11月15日〜17日 1名 〃
白浜、富崎 11月24日〜26日 2名 〃
浜金谷、勝山 10月18日〜20日 1名 (第三管区水路部職員)
白浜、七浦 11月 2日〜 4日 1名 〃
C. 調査内容
入港、避泊時のコースの選定、障害物、漁具漁網標識の形態ならびに位置・設置期間、目標物の特徴、対景図の作成、干出堆外縁の位置の調査、漁船操業の実態、マリーナの設備全般
(3) ヨット・モーターボート用参考図の作成配布
A. 図名
(1) 東京湾その1 東京-千葉
(2) 東京湾その2 横浜-木更津
(3) 東京湾その3 浦賀水道
(4) 東京湾その4 館山-千倉
B. 規格・体裁
B3判(約50×32cm)
表・裏両面印刷
平版多色刷
両面防水加工(表面マット加工、裏面ビニール加工)
C. 部数
各300部 4図 計1,200部
D. 配布先
海上保安庁関係
海事関係団体
関係官公庁、市町村
港湾水産関係
漁業協同組合
公共マリーナ
関係協会
関係マリーナ会社
専門誌編集部門
■事業の成果
この参考図は、ヨット・モータボートの操舵に必要な目標、浅礁、障書物、避泊地等の情報をわかり易く、しかも詳細に網羅し、狭い艦内でも使い易く、小型で、防水加工を施したものである。その対象を要望の最も多い東京湾奥から湾内全域を含み、さらに野島埼東方の外房に至る海域として、これを4図にわけ、表図は連続図として使用できるようにし、裏図は各々の図の主要海域の俯瞰写真、対景写真を図示し、実物との対象に便ならしめている。
各艇がこれらの図を備え付け、適確な操舵を行うことにより、海難防止に寄与することがきわめて多いと考えられる。
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