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■事業の内容

(1) 長期防汚塗料評価法の確立
[1] フローチャンネル装置に関する調査・試設計
 長期防汚塗料の塗膜劣化促進試験および摩擦抵抗試験を流動水中で行うためのフローチャンネル装置に関して、文献・要素技術の調査、設置場所の検討ならびに試設計。
[2] 促進試験条件の実験検討
 大形ロータリー試験および小形ロータリー試験による検討結果と実船試験結果と比較検討。
[3] 促進溶出試験法の実験検討
 小形ロータリー試験および海中浸漬試験により防汚剤溶出連度測定し、塗膜厚と溶出挙動確認。
[4] 実船試験
 試験船あめりか丸(現在おりえんと丸)のビルジキールに試験板取付、塗膜表面粗度の経済変化測定。
[5] 文献調査
 防汚剤の溶出機構、船底塗料の試験方法等、155編の文献調査、要約。
(2) 船体表面粗度と燃費節減に関する調査研究
[1] 回転円筒による表面粗度と抵抗に関する調査
 回転円筒表面摩擦抵抗測定値の信頼性の確認実験および摩擦抵抗におよぼすスライムの影響を調査実験。
[2] 実船調査
 就航船8隻を調査対象船に選定し、うち6隻について入渠清水洗い後の船体表面粗度と全面ブラスト・塗料終了後の船体表面粗度を測定し、入渠前と出渠後の燃費データを比較し、船体表面粗度が燃費に及ぼす影響について調査、予備解析。
[3] 船体の自動表面粗度測定に関する基礎調査
 船体の自動表面粗度測定に必要な壁面移動装置に関する文献、特許、メーカ調査を行い、それらの装置を検討し、自動表面粗度測定用壁面走行車を試設計。
(3) 鋼材表面処理に関する研究
 塗装前鋼材表面処理基準(1975年)の見直し、改訂のためのアンケート調査、改訂方針を決定、試験板製作準備。
(4) タンク防食基準の実用性能に関する調査
 タンカー、鉱石、石炭運搬船および貨物船名1隻の防食効果を追跡調査し電気防食基準の実用性を確認。
(5) 電気防食における省エネルギーの調査研究
太陽電池等による電気防食の可能性と防食システムの基礎調査。
(6) 国際会議への出席
第19回防食防汚国際委員会年次総会へ出席
開催場所  ブリュッセル(ベルギー)
開催期日  昭和56年9月22日〜26日
派遣員   三好 貢委員
内容    生物学部会、AFペイント試験法部会、公害部会、オフショア部会
■事業の成果

本事業は、船舶の防食防汚の性能と経済性向上のため、長期防汚塗料評価法の研究として、フローチャンネル装置の試設計、船体表面粗度と燃費節減に関する調査研究として、6隻の実船調査、鋼材表面処理の研究として塗装前表面処理規準の改訂、タンク防食基準の実用性能に関して3隻の実船追跡調査及び電気防食における省エネルギーの調査研究を実施したもので、この結果は、船舶の省エネルギー化、燃費節減のための有益な資料となるものである。





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