■事業の内容
イ 専門学者講演会開催 内外の一流専門学者を招聘し、公開講演会を催して、現在人類が当面している課題について下記のとおり講演会を実施した。 [1] 第8回「21世紀を考える講演会」 a 開催場所 東京 b 開催期日 昭和55年9月25日 c 講演内容 ○ 演題「あらゆる世界の人々に健康を」 WHOの目的と活動内容等 ○ 演題「ハンセン氏病終息への道」 ライ病のかかえている問題、その対策。またその終息の可能性について d 講師 マーラー博士(WHOの事務局長) ルシヤ博士(国際ライ学会会長) e 来聴者数 447名 [2] 第9回「21世紀をめざす講演会」 a 開催場所 東京・京都 b 開催期日 昭和56年3月6日、同3月8日 c 講演内容 ○ 演題「ブラックホールとX線星のなぞ」 星の進化と終末、ブラックホールのなりたち、宇宙科学の進歩等。 d 講師 小田 稔博士(東大宇宙航空研究所) e 来聴者数 延675名 ロ 新しい科学教育の推進研究 環境教育・自然教育など、従来の科学教育を見直す気運の中で、新しい科学教育の方向をさぐる試みを下記の内容で実践した。 1) 研究項目 第1分科 環境教育の推進研究 第2分科 自然に親しむ教育の推進研究 2) 研究方法 専門委員会を設置して各分科の研究テーマの内容を決定し、それぞれの研究を実施した。 3) 研究内容 第1分科 環境教育の推進研究 [1] テーマ 環境教育のためのアプローチ [2] 環境教育に関するシンポジウムを開催。年1回、参加者27名。シンポジウム成果品としての報告書を作成。 第2分科 自然に親しむ教育の推進研究 [1] テーマ 自然に親しむ会の実践 野外学習指導者養成の実践 [2] 年7回、自然をみるつどいを、また年7回、野外学習指導者養成講座(初級)を開催。また、通信講座(初級)を7回実施した。研究の成果品として実践報告書を作成。 ハ 教材開発の推進研究 新しい科学教育のための教材を研究開発し、実教育面で実践、検討する。本年度は、生物学習用の教材の開発と実践を行なった。 1) 研究項目 教材開発の研究 2) 研究方法 専門委員会を設置し、研究テーマを決定して、それぞれ研究グループに委託した。 3) 研究内容 [1] 教材用生物の増殖と配布実践 [2] 身近な野草の検索カード、作成指導および実践 ニ 生物委託研究 前年度の継続として、下記2種の委託研究を実施した。 1) 研究項目 [1] タロイモの食糧化研究(3年計画第2年次) [2] マメ科植物の活用研究(3年計画第2年次) 2) 研究方法 専門委員会を設置し、本年度の研究テーマを決定して、それぞれ研究グループに委託した。 3) 研究内容 [1] タロイモの食糧化研究(委託先 東京農業大学) ○ 研究室実験:組織培養手法による増殖及栄養分析。 ○ 急速にしかも無菌菌の生産を目的とし研究を進めた。 ○ 圃場実験 :栽培条件比較。 ○ 現地調査 : (国内) 沖縄地域…わが国の品種と利用状況について 山形地域…保存について (海外) 南米地域…昭和55年7月23日〜9月3日 43日間 2名 [2] マメ科植物の活用研究(委託先 (財)進化生物学研究所) ○ 研究室実験:成育による形態と特性調査。成分分析による特異な形質等の発見。細胞学的研究。 ○ 現地調査: (国内) 熊本地域…資料収集および栽培調査 沖縄地域 〃 (海外) アフリカ地域…昭和55年9月1日〜10月21日 51日間 1名 ホ 特別研究 昨年度の継続として、下記委託研究を実施した。 1) 研究項目 マグロ類栽培漁業の開発研究 2) 研究方法 専門委員会を設置し、本年度の研究テーマを決定して研究グループに委託した。(委託先 東京水産大学) 3) 研究内容 [1] 研究室内実験 ○ 初期飼料の大量培養を行う。 ○ 親魚、生殖腺の熟度調査 ○ 資料整理 [2] 国内調査 ○ 三重県阿曽浦にてのマグロゲージ生態調査 ○ 水温が上昇せず、採卵はできなかった。 ○ 生殖腺の熟度調査 5名出張 ○ 高知における漁況の調査、蓄養状況調査 1名出張 [3] 海外調査 ○ 成熟 遊時期の情報の収集。 ○ 飼育そうの準備。 ○ 精子の冷凍保存に成功、活性を確認。 ○ 海流の激変のため卵は未熟。 ○ 人工授精を行うも卵は完熟せず。 ○ シシリー島調査 10名出張調査。 ○ 台湾 1名出張調査。
■事業の成果
一流専門学者の講演会を開催したり、自然に親しむための野外学習会等を開催することによって、一般社会人の科学教育、一般文化の向上に寄与することはもちろん、生物の食糧化研究については今後の食糧危機に対応できる研究として、その成果は世界平和、国民福利に多いに寄与できるものと思われる。
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