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■事業の内容

イ) 機器の整備
 事業計画にもとずき研究に必要な以下の機器を整備した。
品名 数量 型式
1. カルジオコーダ
2. 全自動血圧計
3. スピナー 1式
1式
1式 アビオニクス # 1977
フィラック F-1400
コーニング 

ロ) 地域住民を対象とする医療チームによる生活指導と健康増進の効果的方法の研究 --健康生活処方の研究--
[1] 栄養(食生活)の実態調査
 東京大学豊川裕之博士を中心に、東京農業大学・服部栄養専門学校の協力で神奈川県足柄上郡中井町の主婦300名を対象に食生活の実態調査を昨年に引つづき行った。
 この調査は、中井町当局・足柄上保健所の全面的な協力のもとに行われた。
○ 第1回調査  7月23日〜7月27日
○ 第2回調査  7月30日〜8月 3日
 調査は指導員の指示のもとに、栄養士が個別面接する方式で行われた。
 調査結果は栄養士が整理集計したデータをコンピューターで処理し「中井町食生活実態調査(第2報)」にまとめられた。
[2] 生活習慣調査
 健康づくりを推進してゆく上で、地域住民の生活習慣を知り、栄養調査と併せて健康指導をしてゆくため、中井町全世帯の主婦を対象に行った。調査は10月中句から下旬にかけて行い、アンケート方式で全戸に配布し約90%の回収率であった。
 調査結果を整理集計したものをコンピューターで処理「生活習慣の調査」の報告書にまとめられた。
[3] 住民への保健指導と教育
 9月28日、29日両日食生活実態調査の結果を、調査を担当した栄養士が各人の家庭を訪問し、結果説明と食事指導を行った。
 栄養調査、生活習慣調査と併せて地域住民の摂取量を知るため24時間蓄尿によるナトリウム排泄量の検査を、約700名を対象に行った。この結果は地域住民の食塩摂取量を知る一つの指標として大変関心をもたれ、健康教育をする動機づけに役立ち、このデータをもとに地区座談会がもたれ、10月31日、日野原理事長の(説明)講演会には400名を超える参会者があった。
[4] 指導教育の方法及びその効果についての研究
 生活指導の効果は短期間にあらわれないが、地域住民の声からは、「食事のバランスがとれるようになった」「運動を積極的にとり入れるようになった」など聞かれる。
 今年度は昨年の栄養調査との比較、健康診断データとの相関などコンピューターによるデータ処理で行われはじめ、指導のための資料に役立っている。
 指導教育についても、問題のある人たちへの個人指導と同時にグループで肥満・糖尿病・高血圧の人たちへの指導が行われている。
 また地域の健康問題の中心的役割を果す保健推進員の教育も定期的に行っている。
ハ) 委員会
 本事業の実施にあたっては次の委員会を設置し、計画・実施の方法を検討した。
イ. 中井町プロジェクト委員会   6月4日  1月 7日
ロ. 中井町食生活調査実行委員会  7月7日  8月13日  1月22日
■事業の成果

本事業により、健康人及び有疾者の快適な社会生活、社会的活動を増進させるための最適環境の研究、とくに地域社会の住民の健康の維持増進のための実践的な研究を行ったことは、適正運動量、食事、精神衛生等の生活処方を見出すこととなり、もって国民の健康増進に資するところ大なるものがある。





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