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著者: 黒澤 司  
記事タイトル: 森林ボランティアの現場から  
コラム名: 災害救援活動で活躍する森林ボランティア  
出版物名: (財)林野弘済会  
出版社名: (財)林野弘済会  
発行日: 2005/11  
※この記事は、著者と(財)林野弘済会の許諾を得て転載したものです。
(財)林野弘済会に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど((財)林野弘済会の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。  
  あれから10年

 あの大惨事をもたらした阪神・淡路大震災から10年が経ちました。6,400人を越える犠牲者を出し、マヒ状態にあった行政機関に代わり130万人のボランティアがその救援に動きました。そのことは「ボランティア元年」とも評され、その後、ボランティア活動などを支援するための法案の成立に向けて大きな役割を果たしました。その2年後、冬の日本海で起きたロシアのタンカー“ナホトカ号”の重油事故は海岸を真っ黒に染め、この重油災害においても数万人を数えるボランティアが自発的に行動し、人海戦術による重油の回収が福井県を中心に日本海沿岸の各地で展開されました。それ以降、大きな油の流出事故は起きていませんが、水害や地震、或いは火山災害など多くの自然災害が発生し、それぞれの現場においてボランティアによる救援活動がなされてきました。

2004年は災害年

 昨年は7月の梅雨前線の発達による新潟・福井の集中豪雨に始まり、本土に上陸した台風の数が10個を数え、各地に大きな爪あとを残しました。10月23日には新潟中越地方を中心に大地震が襲い大きな被害をもたらしました。雨量・被害か所数・死者の数など記録に残る災害の年となりました。そんな中、延べ数十万人を超えるボランティアがそれぞれの被災地で活動しました。大規模災害時のボランティアによる復旧・復興活動はいまや必要不可欠なものであることは広く一般に認識されてきました。特に行政機能が混乱しライフラインが断たれた場合には、自衛隊や消防等の救援活動に匹敵するほどの機動力やパワーを発揮しました。

災害ボランティアセンターの役割

一般的に、駆けつけるボランティアと被災者をつなぐいわゆるコーディネーション業務は、災害対応型の臨時ボランティアセンターが担います。被災地にやってきたボランティアはそこでいくつかの手続きを行い、派遣要望 (ニーズ)のあった所に赴きそこで活動する仕組みになっています。この災害ボランティアセンターの仕組みも阪神大震災での救援活動で生まれたものです。災害ボランティアセンターは地元の社会福祉協議会など既存の団体が核となり、それをサポートするかたちで災害系のボランティア団体を始め被災地に駆けつけた様々な団体の協働によって運営がなされていきます。昨年は全国に50を越える災害ボランティアセンターが立ち上がったと言われています。

水害の場合は2?3週間が運営期間とされ、ボランティア休暇を利用した社会人から高校生・大学生まで、熱い思いをもった個人や団体の人たちが活動を求めて被災地へやってきます。記録によれば新潟豪雨では延べ4万7千人、福井豪雨では延べ6万人がボランティア活動を行いました。社会人の場合にはそれぞれ専門性を活かしたボランティア活動も目立ちました。たとえば建築業の場合には家屋の補修、電気関係の事業を営む方の場合は電気製品の修理や取り外しなどといった活動です。


森林ボランティアの活躍

 そんな専門性を活かしたボランティアの中に森林ボランティアの活躍もありました。水害では濁流によって街中に瓦礫や大きな流木が流れ込み、台風では樹木などがなぎ倒されます。それらの処理にはチェーンソーが欠かせないからです。

また地震での倒壊家屋からの家財道具などを持ち出す際にも梁や柱を切断しなからの作業となります。加えて新潟では19年ぶりの大雪によってさらに倒壊した家屋も増え、雪害による樹木の処理など
でも森林ボランティアによる大きな働きがありました。阪神大震災でも昨年の中越地震でも、地震での緊急救援期、近所の人がチェーンソーをもっていたお陰で倒壊した家屋から人を救出できた例も多く聞かれています。

災害で生き残るために

 倒壊した家屋からの人の救出は10人中9人までが地域同士の助け合いであったと言われています。この10年災害現場を多少経験した立場から言わせていただければ、地域の中で必ず準備していただきたい救援ツールとして次の5つがあげられます。ハンマー・バール・ロープ・最低1トン以上のジャッキ・そしてエンジン動力のチェーンソーです。特に地震においては、瓦礫の撤去は勿論のこと、テコとなる材料を切り出すにもチェーンソーは有効なツールといえます。
 
 当然のことながら災害は忌わしいことではありますが、大規模災害でのボランティアによる救援活動は、いまや被災地の復興には欠かせぬものとなり、その活動は被災者へのエールにもなっています。

乾ききった人間関係が象徴されるような事件が多い昨今ですが、被災地で活動する泥に塗れたボランティアを見るたび人と人の絆を改めて感じることができる災害救援活動の現場です。

《参考》

◆災害救援活動でご協力いただいた森林ボランティア団体(順不同)

奥会津只見森づくり倶楽部(福島)
日本森林ボランティア協会(大阪)
地球緑化センター(東京)
かぐや姫なごみの里竹原(栃木)
秩父やすらぎ隊(埼玉)
小海やすらぎ隊(長野)
名栗さわらび隊(埼玉)
箱根KIKORI(神奈川)
ふれあい筑波(茨城)
みどり情報局-東京(東京)
浜仲間の会(東京)
 



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