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(3)人事制度改革の実施
 1992年からの10年間、日本財団の職員は、「社会のニーズに迅速かつ柔軟に対応し、先駆的な事業の開発と支援を通じ、よりよい社会の実現に貢献する」ことを目指し、これまで以上に「現場」へ数多く足を運び、ニーズを敏感にとらえ、事業実施団体との協働を通じて新しい事業を創造していくことが強く求められてきた。
 このため、新業務システムの構築により「現場主義」を実現する環境整備を行う一方で、職員の仕事に対する価値観の転換、資質・能力の向上が急務となった。
 このような背景の下、1997年から階層別研修実施、目標管理制度の試験運用等を通じて、職員が自らの役割を意識して主体性を発揮していくための基礎づくりを行った。
 1999年9月には人事制度改革の基礎調査として、旧制度の調査・分析、職員に対する意識調査を実施し、「人事制度改革の基本的な方向性と改正案」を作成、2000年7月に承認された。続いて改正案に基づいた諸規程の制定案および一部改正案を作成、2001年7月の理事会議決、同年8月の国土交通大臣承認を得て、2001年9月1日より新人事制度を施行した。
 新人事制度は、「『価値』の創造と活用を促進する自律性ある『個』の育成」を基本方針とし、以下のような考え方で構築された。
1)財団内外の人々と協働し、社会のニーズに応じた「価値」を創造し活用を促進する仕事のプロを育成する。
2)職員個人に主体性と責任感を強固に持たせるために「役割責任」を明確にする。
3)年功序列的要素を希釈化し、役割責任に基づいて発揮した能力とその結果である成果を重視する。
4)評価の「公正性」を確保するため、評価基準を明確にし、結果をフィードバックし、メリハリのある処遇を実現する。
5)財団の運営環境の変化に際しても、柔軟に対応できる単純で分かりやすいシステムに転換する。
 ニーズに応えて価値を創造し続けることが助成団体の使命であり、価値創造を支える人材の育成もまた継続的な課題である。
 新制度は施行されたが、人材開発への取り組みはまだ始まったばかりである。財団職員が「人財」として真の成果を創出できるよう人材開発のための取り組みを現在なお継続的に行っている。
(4)監査体制の充実
監事の増員と監事会の創設
 日本財団の社会的な役割の増大に伴って、その事業、契約等に関する内部監査の強化が強く求められるようになった。このような背景の下、運輸大臣の認可を受け、1994年10月1日に寄附行為の一部改正を行い、財団業務の執行に関し、第三者的チェック機能の充実を図ることを目的として新たに評議員会を設置するとともに、監事の定員をこれまでの2名(常勤1名、非常勤1名)から4名(常勤2名、非常勤2名)に増員し、新たに監事会を設置することとした。
 1995年3月20日付にて運輸大臣の認可により1名の非常勤監事が補充されるとともに、同年3月30日に監事会規則が整備され、1995年度より新体制がスタートした。
 なお、欠員となっていた常勤監事1名については、評議員会での選任、監事会での互選、運輸大臣の認可を経て、1997年9月20日付けで就任し、監事4名体制が確立され、今日に至っている。
 
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監事監査報告書
 
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監事による意見書



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