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(昭和60年度〜平成3年度)
第2節 量から質の時代へ
3.先駆的・モデル的事業の展開 ケアハウスについてのモデル計画研究
従来、わが国には特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームの3種類の老人ホームが、入所型の老人福祉施設として老人福祉法に規定され、整備費や運営費に対し一定の公的補助が行われてきたが、平成元年1月、中央社会福祉審議会老人福祉分科会は、新たな軽費老人ホーム(介護付き住宅=ケアハウス)の創設を勧告した。ケアハウスは、入所者の生活相談や緊急時の対応機能のほか入浴・食事提供機能と住宅機能を備えた軽費老人ホームとされ、高齢者の自立した生活を支え、かつ必要に応じ在宅福祉サービスの導入も可能な条件を整えた施設と住宅との中間的な機能をもったものである。
こうした高齢者施設をめぐる新しい提案を受けて、本会は21世紀の高齢化社会におけるケアハウスのモデル構想を描いて、福祉行政の主体である自治体に提示し、その整備促進を図る必要を痛感した。そこで平成2年11月、「社会福祉施設(ケアハウス)モデルタイプ研究会」(委員長:日野原重明聖路加看護大学学長)を設置して、研究作業に着手した。
近年、高齢者の家庭では世話する側の世代も交代し、また、家族意識の変化から高齢者だけの世帯が増えている現状に留意し、同委員会のテーマは、「高齢者の機能低下を軽減するサービスを提供し、白立生活の長期にわたる継続が可能な住宅のあり方」とし、積極的な姿勢を打ち出した。
同委員会がまとめたケアハウス計画案の骨子は次のとおりである。
〈計画のコンセプト〉
(1)高齢期を快適に豊かに暮せる住宅・住環境の整備を図り充実した老後生活を享受できるものとする。
(2)心身機能の低下に伴う要援護化に着目した支援・環境整備にとどまらず、心身の健康とクオリティのある生活の提供を図る。
(3)居住施設である一方、地域住民の暮しに潤いと安らぎを提供する資源として、開かれた施設とし、居住者間の交流にとどまらず、地域間・世代間の交流が図られるノーマライゼーションの場を提供する。
(4)生き甲斐と健康の維持のための多様な機会を積極的に享受できるものとする。
〈計画のイメージ〉
クオリティオブライフセンターといった、高齢者をはじめ多世代が日常生活を快適に暮すための各種サービスを提供し、地域密着型のコミュニティセンター的施設とデイサービスセンターの機能とをあわせもつものとする。
〈計画の意義〉
本計画は、次の3つの視点を満たすことで、本会の取組みの実現を図ることが可能と考えられる。
1)居住継続が図れるケアハウスを提供する。2)単独型ケアハウスの運営等の負担を解消し、積極的な整備を推進する。3)サービス支援体制や地域支援施設の整備を併せて図ることができ、地域全体の福祉資源の充実を図る。
そして、このような計画の視点は、自治体や社会福祉法人がケアハウスの整備に取り組む際の課題への対応と実践の活路の拡大につながるものと考えられる。
従来の単独型ケアハウスは、デイサービスセンター等の生活支援施設の併設が見込み難く、他の老人福祉施設との併設が可能であっても多様な世代間が利用しあえる施設整備の支援方策とはなりにくいものであった。本計画は、このような施設整備の支援をケアハウスを含めて図り、21世紀に対応した地域機能の充実を図ることを意図している。

[上]ケアハウスモデル構想・外観
[中]ロビー
[下]夫婦用住戸(和室タイプ)・平面イラスト
 
 
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