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(昭和46年度〜54年度)
第1節 造船不況始まる
3.海洋開発時代の幕開け 海洋調査船の開発研究
本会はまた、海洋調査船の開発研究にも資金を援助して支援しており、それらのほとんどが大陸棚海域で使用される有人または無人の水中作業船であった。これらの潜水艇は、わが国においては最初のものであり、その後のわが国の海洋開発、水中ロボットの開発に役立てられている。
そのなかで有人の小型水中作業船には、「はくよう」と「うずしお」があった。
「はくよう」は、昭和45年、46年の2か年にわたって開発された。また付帯施設としてのシーリフトクレーンは、「はくよう」を安全・確実に吊り下ろし、吊り上げることのできるクレーンとして、47年3月試作を完成した。同作業船は、水深300m以浅の大陸棚・同傾斜部における海底ケーブルと、海底パイプライン・沈埋トンネル等の敷設・検査、海底掘削作業の坑口仕上作業の検査、橋脚・護岸基礎工事の検査、海底状況・底質の調査、サンプル採取など、特に海底作業を目的とした高性能小型水中作業船であった。
「うずしお」は、47年、48年の2か年にわたり開発された透明潜水調査艇である。この調査艇はほぼ球型で、高強度プラスチック製透明半球殻がはめこまれており、大陸棚において海底・海中構造物、パイプラインなどの調査に従事し、またマニピュレータによって簡単な作業も行える母船式小型潜水調査艇であった。
有人水中作業船「はくよう」


「はくよう」
と笹川良一会長

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