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(昭和37年度下半期〜45年度)
第3節 造船業への援助
1.船舶の巨大化への対応 巨大船用ディーゼル機関に関する調査研究
船舶の巨大化に伴い、ディーゼル機関においては3万5,000PS前後、またはそれ以上のものが要求されるようになることが予想された。わが国造船業界においては、このような大出力機関を製造する技術は、基礎的に十分研究されていないのが実情であった。そこで(社)日本造船研究協会では、従来蓄積されていた国内技術をさらに発展させ、高能率で経済的であり、生産性の高い大型ディーゼル機関の開発に役立たせるために、巨大船用ディーゼル機関に関する基礎研究および調査を行った。
基礎研究では、「機関と過給機のマッチングに関する研究」「機関本体構造に関する研究」「燃焼室壁受熱部分に関する研究」「ピストンクラウン熱応力に関する研究」を実施し、それぞれの項目について大きな成果を得ることができた。
また調査では、動弁装置、運動部分および軸受類などの強度的な諸検討を行うことにより、信頼性・実用性のある機関諸部品の設計指針を得ることができた。軸系ねじり振動およびクランク軸縦振動の振動特性についても調査を実施した。
以上の調査研究は、昭和41年度から42年度にかけて本会が補助金を支出して行われたものであった。本基礎研究の結果、巨大船用大型ディーゼル機関に関する諸問題について貴重な資料を得ることができ、これによってわが国における大型機関基礎研究を大きく一歩前進せしめ、大型ディーゼルと機関製造業界に多大の貢献をした。
また、これに関連して実際に大出力機関を製造する場合の問題点が多く判明し、42年度以降継続して行われた研究に強力な指針を与え、大きな効果をもたらした。
巨大船用ディーゼル機関

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